【ちょっといい話】第10話 西尾亜希子

 共通教育部 西尾亜希子

「幸せとは何だ?」と考えたり、「このまま人生を終えていくのか」と怖くなったりすることがありませんか。私の場合、時々そんなことがあるので、自らの研究の合間に「幸福研究」に関する本や論文を読むようになりました。ハーバード大学元学長を務めた法学者のD.ボックやノーベル経済学賞を受賞したA.センらも研究しているので「そんなの怪しい」と一蹴できない分野です。
そこで質問です。

ちょっといい話 表

さぁ、どちらを選びましたか。実はこの質問、行動経済学という分野のある調査で行われたものなのですが、対象者のうちのなんと約半数の人たちがAの年収400~500万円を選んだそうです。この結果から何がわかるのでしょうか。所得が高いことが必ずしも幸福を保証するわけではないということです。いくら世間的に稼いでいても幸福とはあまり関係なく、あくまで同僚、友人、隣人など身近な人と比べて稼いでいることが大事だということです(これを「イースタリン・パラドックス」と呼ぶそうです)。「人間って醜いなぁ」と思う反面、わかる気もします。でも、これでは「いい話」にはなりませんね。・・・というわけで、他の結果もほんの少しですがお知らせします。

● 自分のために買い物をするよりも、他人のために買い物をしたり(=プレゼントをしたり)、慈善事業に寄付したりする方が幸福度は高まる。
● 年収がある程度ある人の場合、物より経験や思い出にお金を使う方が幸福は長時間持続する。

ちょっといい話 図

 

 

 

 

 
お金の使い方も考えさせられますね。
詳細についてはラス・ハーター著『幸福の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2011年刊)を読んで下さい。軽~い本ですが、なかなか面白いです。