【ちょっといい話】第17話 吉田都

 子供が産まれて1年と8ヶ月が過ぎた。3時間おきの子供の泣き声に叩き起こされ、授乳をするという荒行の日々からは解放されたが、2歳を目前にして、おっぱいから卒業出来ていない。一度、私から卒乳を提案したのだが、この世の終わりかのように号泣され、情緒不安定にもなった。百面相の我が子を見てすっかりビビッてしまい、卒乳はまだ早いのかもと自分に言い聞かせ、痛いのを堪えてお付き合いしているのが現状である。

 世のお母さん方はいつ頃卒業させるのか?まずは、周りで最近産んだ人に聞き取り調査した。1歳前後での卒業が多かった。「言って聞かせて断乳。泣いて可哀想だけど、1週間もすれば、一人で寝られるようになるよ。」とのこと。個人差が大きく、「今5歳だけど、まだ飲んでるよ。」と回答してくれた猛者もいた。

 厚生労働省の見解では、離乳の開始はほぼ5ヶ月頃、離乳の完了の時期は遅くとも18ヶ月ころまでには完了すると述べられている。以前は生後9ヶ月から1才頃に断乳の指導をされていたそうだが、母乳育児の心理学的な要素が重視され、1才以降も母乳を継続する旨が示されている。WHOでは生後6カ月まで完全母乳育児を行い、その後は適切な食事を補いながら2歳かそれ以上まで母乳を続けることを推奨している。

 有史以前から人は出産し、子供を育んできた。その長い歴史の中で、時代の変遷に伴って子育ての方法は刻々と変化している。ということは子育てには明確な正解はないということだ。卒乳は子供の試練というよりも母親である私の試練だなと思いながら今日も葛藤を続けている。