【ちょっといい話】第1話 たつみ都志

     9月8日(日)早朝、2020年に東京オリンピックの開催が決まった。

号外も出たこの日、テレビは一日中この話題で持ちきりだった。

7人のプレゼンターの「日本人離れした」プレゼンテーションが絶賛され、「日本人はプレゼンの苦手意識から脱却したのか」

とまで言われた。彼らの見事なプレゼンにはイギリス人のプロのコーチがついたことが判明した。

     7人のプレゼンテーションを見て、私は5月に思いついて飛び込んだ世界が間違ってないことを確信した。それは「日本プレゼン

テーション・スピーチ能力検定」の仕事である。

     この教室の教義は一言で言うと

「スピーチは聞くものではなく見るものだ」

ということだ。非言語の能力を高めるために3つのことを徹底的にレッスンする。

1.手・・・意味のある動きをする

2.声・・・滑舌はもとより、声の使い分けを学ぶ

3.目・・・聴衆の一人一人の目を見て話す

     40年間教壇に立って来たが、初めてレッスンを受けた時には、目からウロコが落ちた思いがした。この教義は、人前で話す

ことが苦手な日本人、根拠なく自分は話し上手だと勘違いしている日本人にとって驚異的なメソッドなのだ。

     友好関係を作るには、複雑な言語はいらない。高度な外国語取得にかける金と時間があるなら、何かの専門家なることに

かけた方がよい。混み合った交渉ごとは通訳に任せればよい。それより、初めてあった異国の人間と、短時間で友好関係を結ぶ

ことの出来る「人間力」をつける方が重要である。

     今回7人のプレゼンターがまさにそれを実践して見せてくれた。

 

キャリア支援部門リーダー たつみ都志(日本語日本文学科 教授)

 

 

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