武庫川女子大学
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武庫川学院80周年 共通教育『本を編む』履修生も取材中!

共通教育「本を編む」は、2016年度から2019年度の4年間で、学生が取材、執筆、編集を学び、「もう一つの80年史」を作るチャレンジングな授業です。
学生が書いたフレッシュな記事を、一足早く、お届けします。

学生の心をあたためる“がくそう”[2017/09/25更新]

学生相談センター
西井克泰センター長

 「一度相談に乗ると、それが次の相談の入口になることもある」。そう語るのは学生相談センター(がくそう)の西井センター長だ。予約制で学生の相談にのる”がくそう”に17年勤務し、2017年4月にセンター長になった。心理・社会福祉学科の教授でもある。がくそうを知らない、または行きづらい、と感じている学生に対し、「まずはがくそうの存在を知ってもらい、気軽に足を運んでほしい」と思っている。
 1965年に開設し、50年を越える歴史の中で、相談件数は増え続け、カウンセラーが1人から4人に増員された。
 相談内容は多岐にわたる。「履修登録の仕方がわからない」という事務的な相談もあれば、月経前症候群等の女性ならではの悩み、また、体育祭で、武庫女名物の応援合戦の団員になったものの、「練習が辛い」と泣きついてくる学生もいる。どんな悩みでも、考える時間と空間を確保することが重要だ。カウンセラーの思考を中断しないよう、控え室を静かに保ち、「サロン」と呼ぶ学生の待合スペースを心休まる緑色に統一して穏やかな音楽を流している。相談する側も受ける側も、ともに心を落ち着けられる空間づくりを心掛けているのだ。
 こうした配慮の背景には、「親しみやすい場所でありたい」という西井センター長はじめ、がくそうのスタッフの想いがある。めざすのは「どんな相談にも応じるがくそう」「他部署と連携し、学生のよりよい相談場所にする」ことだ。これからの目標と課題を語るセンター長は、学生を想う優しさにあふれていた。そんながくそうの存在が、ストレスの多い現代を生きる、私たち武庫女生を支えている。

高見真古(大日1年)、直野詩織(大心3年)、藤井彩加(短日1年)

あざやかなお昼時[2017/09/25更新]

アゼリア
店長・大笹剛史さん(写真左)、秋末知枝さん

 中央キャンパスの学生食堂「アゼリア」の入口を入ると、すぐ右手にメニューのあざやかな食品サンプルが並んでいる。経営するシダックスのオリジナルレシピを基本に、大笹店長考案の”武庫女限定メニュー”も取り入れている。ボリュームのある「まんぷくランチ」(日替わり)の多くは、大笹店長のアイデアだ。「女子学生にウケるメニューを考えています」と言うとおり、オムライス、天津飯、ワンプレートディッシュなど、どれも食べやすくておいしい。見た目にあざやかなのは、肉・魚などの赤、野菜・果物などの緑、乳製品・油などの黄色の3色のバランスがとれているからだ。
 アゼリアの人気ぶりは、学生でごった返すお昼時の様子を見ればよくわかる。「席が見つからず、トレイを持ってうろうろしている学生さんをよく見かけます」。2006年にアゼリアがオープンした当初から勤務している秋末知枝さんは、少し困り顔を浮かべた。
 約800席を埋め尽くすほど学生を魅了する理由は、700キロカロリー以下という低カロリーなのに、おいしくてヘルシーなことと、メニューの豊富さだ。とんかつやハンバーグなどの日替わりランチから、から揚げ丼やカレーなどの定番メニュー、焼きたてのパンやお菓子類――。ブラウンライスウィークには、学生が考えたメニューも登場する。「毎日利用しても飽きないよう、工夫しています」と大笹店長。日替わりランチ400円、うどん、そばが200円と、値段も非常にリーズナブルだ。さらに、M.I.C.カードをチャージして支払いに使えば5%割引になる。学生には、ありがたいシステムだが、なんと、ほとんどの学生がこのシステムを知らないそうだ。秋末さんは「支払いが簡単で、配膳がスムーズになるので、ぜひMICを活用してほしい」と言う。
 今日もアゼリアは、たくさんの学生であふれかえっている。トレイの上には、色とりどりのランチが載っている。

山本綾乃(短健1年)、 丹七海(大情2年)

歴史ある甲子園会館を守る[2017/09/25更新]

甲子園会館庶務課
宮崎晴味さん

 甲子園会館は、ライト様式の名建築として名高い旧甲子園ホテル。1965年に武庫川学院が国から払い下げを受け、キャンパスとした。2006年から建築学科の学舎として使われている。壁面を飾る素焼きタイル、日華石の彫刻、屋根の緑釉瓦など和洋折衷のデザインが印象的だ。
 宮崎さんはこの甲子園会館で、主に建物の管理と、会館を使用する授業・イベント等の調整を行っている。宮崎さんが一番自慢したいのは、アールデコの装飾と、障子の市松格子天井が美しい一階西ホールだ。大学の授業や講演会、演奏会など様々な用途に使われ、ドラマや映画のロケにもよく利用される。
 阪神淡路大震災でも建物が大きく崩れることはなかったが、90年近い歳月を経ているだけに、大変なのが維持だ。払い下げの条件として、なるべくホテル時代のデザインを尊重しなければならず、補修用タイル一枚から、すべて特注している。建物と一体化した庭園の管理にも気を遣う。ホテル時代からある松や桜は庭園に風格を与えているが、樹齢120年を超える古木もあり、病害虫対策に気を抜けない。苦労は多いが、「学生に本物の中で学んでもらいたい」という思いが、宮崎さんを支えている。
 「学生といると気が若くなる」と笑う。仕事をしていて一番辛かったのは、2006年の建築学科開設と子育てで多忙な時期が重なった時だ。学科新設に伴う様々な業務で忙しく、子どもにも手がかかるため、時間に追われた。今となっては良い思い出だ。「忙しかったけれど、仕事の幅が広がり、非常に充実していた。人生に無駄な経験はない。辛い経験も、いずれ自分の力になります。学生には欲張って生きてほしい」と、語った。

 豊田莉加(大情2年)、 藤本彩花(大心4年)

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