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講演会「わが国の近代建築の保存と再生」が東京センターで開催され、研究者らが近代建築の保存の現状や課題について語りました。

2011/06/06

 武庫川女子大学東京センターが主催する講演会「わが国の近代建築の保存と再生」が6月4日午後、東京・丸の内にある日本工業倶楽部会館で開かれ、250人近くの参加者が、日本における近代建築物の保存について考えました=写真右=。この講演会はシリーズで、第2回は10月1日、第3回は12月3日に行われます。

 日本工業倶楽部会館は大正9年に竣工、国登録有形文化財に指定されている歴史的建造物です。2003年に建て替えられましたが、会館の南側部分を保存・再現し、歴史的空間を今に継承しています。近代建築の保存と再生をテーマにした今回の講演会にふさわしいということで、会場に選ばれました。

 シリーズ第1回目となる今回の主題は「わが国の近代建築保存の歴史と先進諸外国の状況」。最初に趣旨説明・進行役の岡崎甚幸・建築学科長が「武庫川女子大学には、甲子園会館と附属中高芸術館という二つの歴史的建造物があります」とあいさつ。いずれも保存・再生して、教育の場として活用している様子を写真とともに詳しく紹介しました。

 東京大学副学長の西村幸夫教授は「先進諸外国の保存問題」と題して100分間に渡って講演しました=写真中=。フランス、イギリス、ドイツ、アメリカにおける建物保存について、その歴史的背景を踏まえながら解説しました。「国によって、何を大事に思い、誰が保存の主体になるかは異なります。保存問題を考えることで、国の歴史観・国家観が見えてきます」と結論。最後に「日本は第2次世界大戦で多くの古寺社を失い、文化財の大切さに気付きました」と話しました。

 続いて、西村教授の話を引き継ぐ形で、中川理・京都工芸繊維大学大学院教授が、わが国の近代建築の保存について講演。日本の近代建築の保存の歴史と現状を、東京の帝国ホテルや京都の中京郵便局など全国の建築物のケースを紹介しながら分かりやすく解説しました。そして、「日本の大学の建築家養成教育は、新築の建物をつくる人材を育てることを前提としています。これからは、修復・保存のセンス・技能と持った建築家を養成していく必要があります」と建築家の養成についても言及しました。

 最後に、日本工業倶楽部会館の再生に携わった三菱地所設計の野村和宣氏の解説で、参加者は会館内を見学しました=写真左が見学風景。右端が野村氏=。野村氏は会館部分全体を免震材の上に乗せて、耐震性を完璧なものにしたことや、内装を保存活用し、内部の空間を再現したことなどを紹介。参加者はカメラで写真を撮ったり、メモをしたりしながら、熱心に見学していました。

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