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国際会議「シルクロードを通して見た建築と文化」が7月14、15両日に上甲子園キャンパスで行われ、9カ国109人の研究者が参加。3人の基調講演や72の論文発表が行われました。

2012/07/15

 「第2回 シルクロードを通して見た建築と文化」国際会議が、7月14日・15日に上甲子園キャンパスで行われました。日本、トルコ、イラン、ネパール、タイ、オーストラリア、オランダ、アメリカ、インドの計9カ国から109人の研究者や技術者、デザイナーらが参加し、世界建築や都市、ランドスケープ、環境芸術などの分野に関する論文発表が行われ、シルクロード周辺の文化について研究者が共に考えました。最終日16日には国際会議参加者向けの京都ツアーが開催され、西本願寺や金閣寺、祗園祭などを見学してまわります。

 この会議は、シルクロード東端にある本学と西端にあるバフチェシヒル大学(トルコ・イスタンブール)が2011年に共同で設立した「国際シルクロード大学連合」が主催。「シルクロードを介した異文化の相互作用」「生活空間の地域性、個別性」「近代化とグローバリゼーション、都市化」「文化を支える科学技術」「持続可能性と地球環境」「宗教と芸術」「文化の創生に関する実践例」などのテーマについて、18のセッションに分かれて、72の論文が発表されました。

「シルクロード地域の発展と平和に貢献を」と大河原理事長~開会式で
 14日午前9時45分から甲子園会館西ホールで開会式が行われ=写真右=、岡崎甚幸・同会議組織委員会委員長(建築学科長)が「建築を学ぶ者同士が、異なる文化を通して交流し、それぞれ理想の建築を築く」などと会議の目的を説明しました。
 大河原量・武庫川学院理事長は「この国際会議が発展し、学術研究の交流活動がますます盛んになるよう願っています。そのことが、シルクロード地域のあらゆる面での発展と平和に貢献すると確信しています」とあいさつ。
 糸魚川直祐学長は「会議の狙いは、シルクロード各地における文化と文化所産、その相互影響について学ぶことです。それのみならず、これらの違いを育成するための共通の基盤を探ることにあります」と、強調しました。
 バ大学のアフメット・エユジェ建築デザイン学部長は「文化の違いをなくすのではなく、違う文化を交流することで、文化はより豊かになります」とシルクロード沿いの国が互いの文化を尊重することが大切であると訴えました。
 この後、兵庫県知事(代読)や河野昌弘・西宮市長ら来賓があいさつしました。

「日本建築に生かされる『和』の精神」基調講演の上山大峻氏
 上山大峻・龍谷大学名誉教授が「日本文化と仏教」と題して基調講演し、シルクロードを介しての文化の交流や仏教がどのようにして日本に根付いたかを説明。「聖徳太子は十七条憲法で『和を以って尊し』と掲げましたが、これが日本の考え、日本の目指す文化の基本になっています。『和』は日本の建築にも生かされています。住む人の交流や地域との関わりなどを考えた建て方は、日本の基本的な精神と通じるものがあります」などと、日本文化と日本建築の相関について、具体的な事例をまじえながら話しました。

荒木正亘・棟梁らが醍醐寺の軒を支える組物を実演
 昼食休憩時間には甲子園会館東スタジオ前で、醍醐寺の軒を支える組物のデモンストレーションが行われました=写真左=。本学建築学科の非常勤講師を務めている荒木正亘・棟梁らが掛矢(かけや)や金槌(かなづち)を使って、肘木(ひじき)や方斗(ほうと)、巻斗(まきと)を30分かけて組んでいきました。できあがった組物は縦横約2メートル、高さ約1.5メートルで、集まった約50人の外国人は、組みあがっていく過程をカメラに収めていました。

「新しい考え方に触れ、自由な発想を」とバフチェシヒル大学のアフメット学部長
 会議初日の最後を飾ったのは、バフチェシヒル大学アフメット学部長=写真中=の基調講演です。アフメット学部長は「Indoors and Outdoors」というテーマで1時間にわたり講演。室内(Indoors)と屋外(Outdoors)が相互に作用している事例として、図書館や教会、民家など世界各国のさまざまな建築物をスライドで紹介しました。そして「建築を学ぶ皆さんは物質文化について学び、新しい考え方に触れててください」「建築を考えるときには、新しい自由な発想を持つことが大切です」と熱っぽく語りました。研究者や建築学科学生たちはメモを取るなどして熱心に聞き入っていました。

「グローバルな視点で」杉山・京大院教授
 15日には、京都大学大学院の杉山正明教授が「アフロ・ユーラシア世界への眺望」と題して基調講演しました。杉山教授は専門のモンゴル時代史にとどまらず、政治や教育、言語、建築、美術など幅広い分野について縦横無尽に話を展開。「歴史研究においても、世界史・日本史と分けるのではなく、グローバルな視点で、世界全体で考えることが重要です。研究者は研究分野を細分化し過ぎています。細分化すると物事の全体が見えなくなります」などと話しました。

 杉山教授の基調講演の後には、閉会式と夕食会が開かれ、世界から集まった研究者たちは名刺交換をするなどして、親交を深めました。

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