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ノロウイルスを迅速、安全に検出できる検査方法を、本学薬学部の木下健司・教授と田中温子・副手が住友ベークライトとの共同で開発に成功し、記者発表。テレビや新聞で大きく報じられました。

2007/05/10

 薬学部健康生命薬科学科の木下健司・教授(ゲノム機能解析学講座)、田中温子・副手と住友ベークライト株式会社研究員の齋藤晋、阿部碧両氏は大阪府立公衆衛生研究所の協力を得て、毎年冬期に全国各地で大流行するノロウイルスを従来より迅速、安全に検出できる新検査方法の開発に成功し、5月9日午後に西宮市役所で記者発表しました=写真左・右から田中副手、木下教授、齋藤研究員、阿部研究員=。このニュースは、9日夕のNHKテレビ「ニュース神戸発」で放送され、翌10日付産経、読売、神戸の3紙朝刊でも報じられました。

 木下教授は5月11日(金)に東京・銀座ブロッサムで開かれる「第93回日本食品衛生学会学術講演会」で「迅速・簡便なノロウイルス検出法の開発」と題して発表します。

 これまではノロウイルス検査には6~8時間ほどかかっていましたが、新検査法では3時間以内で検出することが可能になり、ノロウイルスの早期発見と感染予防に威力を発揮すると期待されています。

 従来の検査方法では、ノロウイルスを検出するために、人の糞便を容器に入れ、人体に有害なクロロホルムなどの溶媒を使用して、攪拌、冷却、過熱しなければならないなど煩雑な処理が必要です。ノロウイルス遺伝子を抽出・精製をする過程で、通常は検体を10回前後にわたって別の容器に移し変える必要がありました。この移し変え作業に伴い、ウイルスが飛び散り、検査技師・研究者に感染する危険性があることに加え、ウイルスの検出効率も悪く、検出するまでに手間と時間とコストがかかっていたのが現状です。

 今回、木下教授らは新たな遺伝子検査チューブ(高さ1.5cm、直径0.5cmの円錐形)を用いてノロウイルスを検出する方法を開発しました。チューブ内には、特殊な表面処理が施され、ノロウイルス遺伝子を効率よく捕捉する機能を持たせています。感染者の糞便処理液をチューブに入れ、微量のノロウイルス遺伝子を抽出します。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)反応液をチューブに入れると、ノロウィルス遺伝子は効果的に複製・増幅を繰り返します。このようにして、微量の遺伝子が大量に増えることから、短時間での検出が可能になります。

 この検査システムの特徴は、ノロウイルス感染患者の糞便から遺伝子を抽出し、精製する従来の工程を省略でき、一個のチューブ内でノロウイルス遺伝子検出を迅速・簡便に行えることです。チューブの表面処理を変えることで、さまざまなウイルスの検出が可能になるので、今後の応用も期待されます。

 木下教授は「更に高感度の遺伝子検出が可能になれば、カキの出荷前検査、下水放流の際にノロウイルスの有無をチェックすることが可能になり、食品及び環境衛生上の問題解決に貢献できます」と話しています。

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