＜日本語/English＞ ◇活躍する卒業生9◇後藤早紀さん（健康・スポーツ科学部健康・スポーツ科学科　2010年3月卒）

◇Outstanding MWU Alumni◇ Ms. Saki Goto (Graduate of Department of Health and Sports Sciences, March 2010).

 

マイナビフットボールクラブで企画営業課長を務める後藤早紀さん。WEリーグ初代女王をめざす「マイナビ仙台レディース」（仙台市）の活躍を、フロントスタッフとして支えています。3月19日にノエビアスタジアム神戸で行われたYogibo WEリーグ第14節のINAC神戸レオネッサ戦を前に母校を訪れた後藤さんに話を聞きました。

 

健康・スポーツ科学科を卒業後、株式会社マイナビで人材ビジネスの業務を担当していた後藤さんに転機が訪れたのは2021年2月。マイナビが「ベガルタ仙台レディース」の経営権を譲り受け、WEリーグへの参入を視野に、「マイナビ仙台レディース」の運営に乗り出しました。

 

大阪出身の後藤さんにとって仙台は遠い土地。新卒で実績を重ねた領域を離れるのも決断がいりましたが、「大好きなスポーツに携わりたい」という思いがあふれ、フロントスタッフの社内公募に手を挙げました。「武庫川女子大学の健スポでスポーツについて学んだことを活かしたい、という希望は以前からありましたが、スポーツチームの運営に携われるとは思ってもみないチャンスでした」と振り返ります。幸い、「武庫女」といえば、女子サッカー界で知らない人はなく、仙台での新業務にもスムーズに溶け込みました。

 

後藤さんの主な仕事はチームを応援してくれる企業スポンサーを集めることです。人気スポーツが多様化する中、女子サッカーが熱狂的な支持を集めるには、魅力を創出する知恵と工夫、何より、女子プロサッカーの未来像に共感を得ることが必須です。「日々模索しながらですが、ただ営業に回るのではなく、チームのビジョンを伝え、地域のため、企業のために何ができるかを具体的に提案してファンを増やしていかなければと考えています」。

 

言葉の端々から前向きさが伝わってくる後藤さん。その行動力のもとをたどれば「武庫川女子大学に行き着く」と言います。

 

高校まで陸上やハンドボールをしていた後藤さんは、体育の先生になろうと短大から大学に編入。運動クラブには入らず、総務委員会、応援合戦の副団長、オープンキャンパススタッフなど活発に活動しました。「自分で考えて行動し、人をどう巻き込んで盛り上げていくかを常に考えた4年間でした。しんどかったけれど、本当に充実していました」。

 

武庫川女子大学では、2023年度から健康・スポーツ科学部にスポーツマネジメント学科が開設し、スポーツビジネスを専門に学べる環境が生まれます※。「在学中にそういう選択肢があれば」とちょっぴり残念そう。「プレイヤーとして第一線で活躍できる学生や選手は一握りですが、トッププレイヤーと共に過ごし、スポーツを俯瞰的に見る目を養える環境が武庫女の健スポにはありました。さらに、その視点をマネジメントに結び付ければ、プレイヤーや指導者だけではない、多様な未来が描けると思います」。

 

実は後藤さんはサッカーだけでなく野球も大好き。「ファンの巻き込み方や選手紹介の演出など、野球からヒントを得ることはたくさんあります。競技にのめり込みすぎず、サッカーの良さをどう伝えていこうかと、冷静に考えることができるのが自分の強みと自負しています」。

 

WEリーグは女性活躍を大きな柱とし、「役職員の５０％以上を女性とする」「意思決定に関わる少なくとも１人は女性とする」などの参入基準を設けています。後藤さん自身、女性活躍を体現し、スポーツマネジメントのフィールドを一歩先行く存在です。「今のWEリーガーたちは試行錯誤の毎日だと思います。常に新しいことに取り組み、高いプロ意識をもって取り組んでいる選手たちを盛り上げていきたい」と意気込みを語りました。

 

※設置構想中