キャンパスガイド2024|武庫川女子大学

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ResearchTheme学習者のモチベーションを高め、主体的なアウトプット型の学びを促す。社会情報学部社会情報学科尾関基行准教授生活環境学部情報メディア学科山本あすかさん(4年生)「プログラミングを用いて自分たちで作ったものが実社会の問題解決につながる。そこに面白みを感じます」と語る尾関准教授。学びに有効なアウトプットを支援するためのツール開発に、ゼミ生の山本さんと共に取り組んだ。自分が得た知識や考えをSNSで発信し、他者から反応が得られたり、周りの学習者と発信状況を比較できたりすれば、学習意欲が持続するのではないか─。SNSへの発信回数や反応をグラフ化・ランキング化する機能を持つウェブシステムを構築し、学生対象の実験を数か月にわたって実施。このアイデアを学校教育に適用するために何が障壁となるか調査した。社会実装に向けた課題は多いが、SNSを活用したアウトプット学習に必要な機能の一体化を探る試行錯誤を、山本さんは「楽しかった」と話す。コロナ禍で普及したオンライン授業もまた、研究の新たな糸口を生み出している。井原西鶴の世界観に迫る。048MukogawaWomen'sUniversitySNSを活用した学習支援ツールを開発。ResearchTheme江戸時代の出版界との関係性と『新可笑記』からうかがえる“売れっ子作家”の世界観。文学部日本語日本文学科羽生紀子教授“日本初”のベストセラー作家・井原西鶴は、江戸時代における商業出版の発展とともに成長を遂げた一人。作風は年とともに変化していくが、羽生教授が着目したのは後期の『新可笑記』だ。元になる「史実」と、それをアレンジした「創作」という、当時定番だった2層構造ではなく、作者のメッセージが行間に織り込まれた“3層構造”になっているという。それは出版メディアに可能性を見いだそうとした、西鶴の挑戦。しかし版元でもあった当時の本屋との関係性を示す史料と照らし合わせて読み解くと、西鶴の一歩進んだ世界観は、本屋にも大衆にも理解されなかったことが見えてくるそうだ。“売れっ子作家”というイメージや独自の表現手法への自信とは裏腹に、西鶴が直面していた作家としての葛藤、孤独。追究するほどに、“西鶴熱”が高まっていきます」。


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