武庫川女子大学
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武庫川学院80周年 共通教育『本を編む』履修生も取材中!

共通教育「本を編む」は、2016年度から2019年度の4年間で、学生が取材、執筆、編集を学び、「もう一つの80年史」を作るチャレンジングな授業です。
学生が書いたフレッシュな記事を、一足早く、お届けします。

丹嶺と歩んだ27年[2017/09/25更新]

丹嶺学苑研修センター
加治由佳子さん

 武庫川学院北摂キャンパスにある丹嶺学苑研修センター。初期演習やクラブ活動の合宿等で学生にはおなじみの施設だ。「丹嶺」の名は、校祖・公江喜市郎氏の雅号の一つだという。2016年4月、「快適な環境」をめざしてリニューアルした本館は、学生、教職員、卒業生の研修の場として、ますます親しまれている。
 加治さんは、同センターで勤続27年。現在は主任指導員として勤務している。この職に就く前は文学部教育学科初等教育専攻人間関係コースで大学生活を送っていた”武庫女生”だ。
 年間7500人が訪れる同センターの仕事のやりがいは、「プログラムの指導案をすぐに実行、フィードバックできる点」にあるという。企画の意図が学生に理解してもらえないときは悩むこともあるが、「改善策を考えるのも、やりがいかな」と、楽しそうだ。
 長年、武庫女生を見守り、支えてきた加治さんは気になることがある。「数年前に比べると、自分で考えず、すぐ質問する学生が増えた印象があります。”タオルを忘れたのですが、どうしたらいいですか”などと聞いてくる。指示待ち人間になっていないか少し心配」と顔をくもらせた。
 「見えないところを大事にできる人になって欲しい。今しかできないことをたくさん体験してもらいたい。自分の枠を決めず、いろんなことに挑戦してほしい」と、後輩に期待を寄せる。
 加治さんの指先はきれいなネイルが施されていた。聞けば最近、興味を持って、始めたという。自らも挑戦を続けるその姿勢に、同じ女性として憧れを抱いた。

湯浅愛理(大日2年)、森下美香(大日3年)

図書館を見つめ続けて[2017/09/25更新]

元図書課長 
森本恵三さん(現文学部事務室課員)

 「学生時代から本が好きで、図書館は身近な存在だった」という森本さんが、「将来は図書館で働きたい」と思うようになったのは自然なことだった。大学在学中に図書館司書の資格を取得。4年生のとき、武庫川学院の求人票を見つけ、就職した。
 入試広報などに携わった後、1982年に念願の図書館に配属された。現公江記念館が、当時の図書館だった。当初、本の管理はすべて手作業。貸出カードも手書きだった。「どうすれば、魅力ある図書館になるか」「どうすれば、学生が足を運んでくれるか」と、工夫を重ねた。コンピューター管理への切り替えも大変だったが、「一番大変だったのは、中央図書館への引っ越し」と言う。1993年8月から取りかかり、フルオープンまで5か月かかった。「30〜40万冊もある蔵書を移動させるため、トラックが何度往復したかわからない」と笑う。
 「ちょっと待ってくださいよ」と、机を探り、玉砂利(写真左)を出した。旧図書館は、中央に池があった。池に敷き詰められていたのを、記念にもらったという。「昔の思い出ですよ」と懐かしそうだ。
 移転後はM.I.C.カードでの貸し出しや、電子資料も利用できるようになった。2013年のリニューアルでは、飲食可能スペースができ、本の配置もがらりと変わった。2017年には、自動貸し出し機が中央図書館の1階のカウンター脇に設置され、ますます便利になった。
 「昔の静かな環境も好きでしたが、今の図書館は利用者が増えて活気がある。多くの学生が図書館に集うのはうれしいですね」。その言葉から、現在も変わらず、図書館を見つめる視線が感じられた。

田中知花(大食2年)、服部美久里(大環2年)

私たちを見守ってくれる守衛さん[2017/09/25更新]

西門守衛
高取彰さん

 守衛――私たちを見守ってくれる重要な人たちだ。
 武庫川女子大学に勤める守衛は7名。正門と西門それぞれの出入り口に配属され、主に来訪者の対応と、キャンパスの警備を担う。高取さんはこの仕事を始めて約10年。今は西門が持ち場だ。警備の仕事は「常に目を光らせる」ことが大事だ。キャンパスの安全を守るため、不審者は絶対に通してはいけない。だから「少しでも気になる人がいれば、すぐに警戒の態勢に入ります」と、高取さんは言う。キャンパスに出入りする車両の誘導も行う。門の内外は多くの学生が行き交うため、怪我や事故がないよう、車より学生を優先して誘導するそうだ。
 高取さんは、挨拶や見守りに力を入れ、1人1人に向き合った対応を心掛けている。あいさつしながら、表情や様子に気になる点がないか、気を配る。登校の際、痛そうにお腹をさすっている学生がいれば「大丈夫ですか?」と声をかける。私たちをしっかりと見てくれているのだ。その優しい雰囲気で、学生や教職員との交流も多い。仲良しの外国人の先生がアメリカに帰国した際、英文科の学生に協力してもらって、英語で手紙を書いたこともある。
 武庫女生の印象を尋ねると「とても活発で明るい学生が多いですね」と言う。友達同士で楽しそうに会話する様子や、元気な身振り手振りから、そのような印象を受けているそうだ。
 守衛の方々が見守ってくれるからこそ、私たちは安心して学生生活を送ることができる。そのことに改めて感謝したい。

古志優依(大日1年)、水谷里彩(短日1年)

広報は華やか?縁の下の力持ち?![2017/09/25更新]

広報室広報課
角清孝課長

 私たちが日ごろ、チェックする大学のホームページやカラフルな冊子、電車で見かけるオープンキャンパスの広告――これらを担当する広報課を率いるのが、角課長だ。
 「みなさんが目にするところに自分の仕事が関わっている。やりがいがありますね」。広報課に着任して16年。やわらかな雰囲気からは想像できないほど、仕事に対して熱い。時にはカメラを構え、時には原稿を書き、キャンパスを駆け巡り、冊子からホームページまで、常に最新の情報を発信している。体育祭や文化祭の模様を臨場感たっぷりにホームページに掲載し、クラブ活動の成果をいち早く伝えてくれる。私たちもゼミ活動やボランティア活動で大変、お世話になった。いつも何かあれば駆けつけてカメラを向け、頑張りをたたえてくれる。やる気が出る。ありがたい存在だ。
 マスコミ対応も広報課の仕事だ。例えば2016年に日本テレビの番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」の「日本列島 大学の旅」に武庫女が登場したことがある。この取材依頼も広報課が担当した。一見華やかだが、地道な仕事が大半を占める。”縁の下の力持ち”だ。
 2017年4月からFM OH!(FM OSAKA)で始まった「MUKOJOラジオ」(毎週水曜午後8時〜8時30分)でも、武庫女の魅力を発信している。「武庫女生のイメージは良い意味で真面目。とても誠実。これは広報課に異動して来た頃から変わらず、世間にも浸透していると思います」と角課長。これから先も良いイメージが続いていくように――。私たちのキャンパスライフを充実させるため、今日も角課長はキャンパスを走り続ける。

中川茉優(大情3年)、松尾有紀(大情3年)

鳴尾駅の安全を守る警備員[2017/09/25更新]

鳴尾駅警備員
 森忠基さん(写真左)、田中勉さん

 武庫川女子大学の最寄駅である阪神・鳴尾駅は、始業や終業近くになると学生であふれかえる。学生の通行が集中する駅南側の道路には、武庫川学院の依頼を受けた「ACE警備保障」所属の警備員が混雑時、交通整理や警備にあたっている。
 最も混雑する午前7時から午前11時にかけてが警備の腕の見せどころだ。ピークは午前8時前後。駅からあふれ出す学生の列を、事故が起きないよう、細心の注意を払いながら誘導し、タイミングをみて、自動車や自転車を通している。「運転手の目を見てストップをかけ、30秒以上待たせずに通すよう、心がけています」と言う。学生の波が過ぎれば、違法駐輪の自転車を移動したり、不審者がいないか、巡回したり、クレーム処理をしたりする。通行中の学生が体調を崩して倒れた時は、すぐに駆けつけ救急車の手配をした。
 森さんと田中さんは、鳴尾駅の警備担当になって7、8年になる。二人とも「以前に比べ、今の学生は素直だ」と、感じている。警備を始めた当初は学生たちが思い通りに動いてくれず、近隣の人によく苦情を言われた。今はそういったクレームは少ない。警備員が近所の人々にあいさつし、雑談で仲を深め、つながりを作ってきたからだ。「つながりは大事」と田中さんは繰り返し言った。知り合いになって「つながり」ができれば、苦々しく感じる気持ちが少なくなって、苦情が減るのだ、と。「学生の気持ちがわかるようになってきた」とも言う。「広がったり、立ち止まらない学生に声を張りあげるよりも、ジェスチャーで示す方がずっとスムーズに動いてくれる」。
 忙しくても、学生から「おはようございます」「ありがとう」の言葉をかけられると、疲れを忘れる。武庫女生に対し、「今のまま、素直な心でいてほしい」と願っている。そんな警備の方々のおかげで、私達はいつも通りの平穏な今日を過ごすことができるのだ。

木村泉美(大日2年)、田渕真央(大日3年)

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