2024.4.1 現在
教員情報詳細
クロダ トモコ
黒田 智子
Tomoko Kuroda
- 所属名称
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生活造形学科
- 資格
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教授
- 学位
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工学修士、工学士
- 研究分野
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近代建築論、近代都市論、デザイン方法論
- キーワード
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有機的建築、有機的都市、遠藤新、丹下健三、フランク・ロイド・ライト、パトリック・ゲデス、生命感の表現、日本の伝統文化、創作論
- 社会貢献活動
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豊中市ふるさと納税返礼品のデザイン提案、西宮市津波啓発サイン計画のデザイン提案、農業の第三次化のためのデザイン提案
- メールアドレス
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- 大学
- tomokokrmukogawa-u.ac.jp
甲子園ホテルの理念と方法―「利他」からみえてくる遠藤新の建築表現
武庫川女子大学の校舎として活用されている旧甲子園ホテル(1930)は、フランク・ロイド・ライト(1867-1959)の愛弟子として知られる遠藤新(1889-1951)の設計です。甲子園ホテルには、シンボルマークである打出の小槌をモチーフとした抽象・具象の様々な装飾が、建築の内外に配置されています。このような装飾配置は、特徴ある空間をつくるために欠かせない要素なのですが、ライトの作品には見られないことが注目されます。
そこで、装飾と建築の関係をみていくと、縁起の良いと信じられている打出の小槌が、自分を利するための「利己(自利)」ではなく、他を利するための「利他」を表現していることに気がつきます。打出の小槌によって豊穣の力が込められた水は、かつてホテルの南側にあった大きな池に流れ込み、さらに農業用水として周辺地域を潤していくのです。建築に織り込まれた「豊穣の水の物語」は、数少ない記述の中に遠藤が遺した建築形態の水平性、垂直性と深く関係していると考えられます。また、開業当時のリーフレットを合わせてみると、記述に遺さなかった「利他」については、その対象が周辺地域に留まらず、遍く無限にわたることが読み解けるのです。